--Making of Tea/t. PaniC--





どうも!ジェシーです。色々と増量なTea/t. PaniC楽しんで頂けたでしょうか。
久しぶりにかなりの時間を費やした作品なので、結構お気に入りです。

そういうわけで(どういう)今回はTea/t. PaniCができるまでを紹介しようと思います。珍しく。
と言っても、絵の描き方の技術的な部分ではなく、「どんなふうにネタを出しながらこの絵を描いたか」の紹介です。
「お絵かき講座的なもんはやらんのかいじいさんや」的な要望は頂くのですが、
基本的に描いて取り込んで塗ってるだけなので、何かテクニック的なものはあまり紹介できそうにない為、
今回はとりあえず、ジェシーの脳内解剖みたいな感じになります。
ひまなときによんだらいいとおもう!!





--☆開幕☆--



下書きをする前に、ひとまずアリスと無限回廊の位置だけ適当にノートにメモっておきました。
他のものは大体描きながら配置を決めました。
ジェシーほどのせっかち伝説になるともはやラフスケッチみたいなのが意味をなさないのです。どうなの。

あと、この時点で「数学を使おう!」と言うのは決めてました。
アリスの作者ルイス=キャロルが数学教師だったこともあった的な噂を耳にしたことがあったからです(何)
そこで使った数学と言うのが「フィボナッチ数列」です。
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55...というやつで、ある数とその1個前の数を足した数が次の数になっているのです。
また、これは大きい数になるにつれて、隣り合う2つの数の比が黄金比(1:1.618)に近くなっていくと言う性質を持つことで有名です。
5:8なんてまさに黄金比の近似です。
黄金比と言えば人間が本能的に美しいと感じる比率。この数列も「きれいな数列」と言うわけです。

ここで必然的に絵の縦横の比率が黄金比になる必要性が出てきたので、そうしました。(割と計算は適当なので誤差はあります)
で、どこに数列を使うんじゃと言う話ですが、縦横が黄金比の長方形の中身を、正方形で埋め尽くしていき、
一番小さい正方形の辺の長さを1とすると、他の正方形の辺の長さは、下の図のようになります。なるっぽいです。多分。

↑若干構図の分割っぽくもある感じです

で、正方形の辺の長さですが1,1,2,3,5,8,13。フィボナッチ数列の登場です。
1から13までって所がトランプと偶然のシンクロ。

じゃあトランプと関連付けますかと言うことで、次のステップです。
敷き詰めた正方形の角と角を曲線で結んでいくと、下の図のように螺旋が描けます。


これを飛んでくるトランプの軌道にしたのです。

で、何でフィボナッチ数列なのかと言うと、
フィボナッチ数列はもともとうさぎを数える問題から考案されたものらしいです。
つまり、アリス→キャロル→数学 + うさぎ(アリスだし) = フィボナッチ数列みたいなプロセスでアイデアを出したわけです。
ちなみに、黄金比やフィボナッチ数列は建築やデザインの分野で使われることがよくあるのだそうです。
覚えておいて損はないかも?



それで、後は描きながら物やキャラクターを色々とおかしい位置に配置したりして完成です。
Tea/t.でおじいさんはやたらと空間を矛盾させたがりますが、
それは勿論不思議の国だからとか、原作の中の理不尽な展開にちなんでとか言う理由もあります。
で、それ以上に不思議の国は夢の中なのです。夢には論理性や脈絡がありません。上は下で左は右の世界です。
そんな何でもありで矛盾だらけの夢の世界。そこに現れた数学と言う論理や秩序。
それらが相俟って更なる矛盾を作りだす矛盾スパイラルを空間の中に表現するのが、
俺が空間を捻じ曲げ不可能な立体(無限回廊)を描く理由なのかどうかは不明です(なんだ)



とりあえず難しいことは考えずに、いろんな角度から不思議ワールドともっちりうさぎを楽しんで頂ければ幸いです。